甲状腺腫瘍は変?(その10):世界は変だ:So-net blog
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甲状腺腫瘍は変?(その10) [医療]

 6月17日午後9時から飲食完全禁止。水もダメ。
 6月18日手術当日。浴衣に着替えて朝から点滴(ヴィーンF500ml)を開始。
 予定は2時から5時だったが、前の人の手術が長引いて、3時からとなった。パンツをT字帯
(つまりはフンドシ)にはき替え、血栓防止の加圧ソックスをはき、 病室からストレッチャーに
乗ってオペ室へ向かう。意外と乗り心地が悪い。流れる天井を見ていると酔いそうだ。手術棟
は広く、ドラマで見るような銀色のぶ厚い自動ドアを四回くらい通ってやっとオペ室に到着。
 手術台に乗り移り、脳波計や心電図の端末、酸素マスクを装着後、麻酔開始。麻酔が効いてきた
と感じてから意識がなくなるまでに7秒とかからなかった。まるで自分で目を細めていくように視
野が狭くなっていく。ちょっと抵抗してみようかとも思ったが、それでトラブってもつまらないの
で素直に身を任せた。手術中は完全に意識は無い。残念ながら臨死体験も無し。
 ただし、おそらく麻酔解除を開始した頃なのだろうが夢を見た。覚えてはいないが、普段見るよ
うな仕事の、あまり楽しくない夢だったが、なぜか寝心地が良かった。それがすぐに目が覚め、
「施術終わったな。」と思った瞬間、三つの不快感が襲ってきた。
 痛みと尿意と息苦しさだ。このうち一番強かったのは尿意だった。開口一番かすれる声で「トイレ」
と先生に言ったが、「勝手に出てますから大丈夫ですよ。」との応え。全身麻酔後に小水管をつけた
から問題ないというわけなのだが、とても我慢できない尿意だ。
 痛みは鈍痛で、我慢できないほどではなかった。
 息苦しさは、麻酔から自律呼吸に戻るまでなのだろう。ダイビングでパニクる直前の感じに似ている。
呼吸は出来ているのに息苦しく焦る。そこで気持ちを落ち着けて数十秒深呼吸しているとすぐに正常
になってきた。
 病室のベッドに戻る。意識はハッキリしており疲れない類の思考ならいくらでもできる。全身の感覚
も通常通りなので、その気になれば普通に動けそうだが、ちょっとでも動くと痛みがあるので、痛みを
気にせず自由に動かせるのは点滴をつけていない右手。声も出せるが、かすれて、痛みもあるの
で、右手で空中に文字を書いて家族と意思の疎通をした。8時頃になっていたので家族を帰し、そこ
からが大変だ。
 始めのうちは痛みをおそれて身動きできない。しかも、点滴、小水管、ドレーン、酸素マスク、つま
り4本の管に束縛されているのだ。しかしすぐに背中が痛苦しくなってきた。床ずれになりそうな感じ。
小水管による尿意とこの手術とは直接は関係ない背中の痛みがきつかった。寝返りしていいか?と
看護士に聞いたら大丈夫というので痛みを気にしながら身体を横に向けたら、看護士が背中をささえ
るためにピローを持ってきてくれた。これで背中は楽になり、身動きさえしなければ術部の痛みも無
い。残るは膀胱炎になりそうなくらいの尿意が、ほぼ一晩中続いた。結局その夜眠ったのは30分間
が2回くらいだった。酸素マスクはかえって息苦しく、時々勝手にはずしていた。

6月19日の朝、酸素マスクをはずし、トイレで小水管を抜いてもらう。「15センチくらい入ってます
から。」と看護士が言うとおりかなりの長さが挿入されていた。
 尿意はずっと続いていたので、抜いた直後に排尿を試みたがやはり少ししか出なかった。しかしそ
れでやっと尿意がおさまってホッとした。
 だがあれだけ長い管を入れていたため、尿道炎になった時のように排尿時にヒリヒリとした痛みが
走る。この痛みは20日の午後まで続いた。
 19日の朝食は普通食。飲み込むときに若干の痛みはあるが難なく完食。もう点滴を持って1人で
自由に歩行が可能。


 三食後の飲み薬(鎮痛剤、胃薬)は、6月20日の夕食まで。 

 午前と午後の点滴(生食溶解液キットH100ml、セフメタゾン静注用1g)は、6月22日の午後まで。

 6月25日に半分抜糸。どう半分なのかというと縫い目の互い違いに抜糸した。抜糸は一瞬チクッと
した痛みがあるだけで出血も無くすぐに終わった。

 6月26日に残りを抜糸。6月24日に採血した結果、今のところカルシウムとホルモンは正常値との
こと。摘出した部位の組織検査はまだ結果が出ていなかった。
 次回外来検査は7月10日と言われて、退院。
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コメント 6

JJ

無事帰ってこれましたね!
手術は何度か経験されましたか? 
私は2度ほどお世話になりましたが、体が動くようになるまでは地獄。
楽になってくると極楽、という感じでした。
無理をせず、ご自愛ください。
by JJ (2008-06-28 19:32) 

zanki

ありがとうございます。
人生初めての手術でした。
もう車の運転も可能ですが、まだやはり異常に疲れが来ます。
by zanki (2008-06-28 20:25) 

国内産子持ちししゃも

zankiさん、退院おめでとうございます。
入院生活には、予想以外の辛いことがあったりするんですね。
私はお産以外は入院したことがありませんが・・・。
甲状腺、私も昨年人間ドックで異変があったので、
首に針を刺して調べましたよ。何とか大丈夫らしかったど、
今年も、来週念のため受診してきます。
ひとごととは思えないで記事を読んでいました。

ところでずっとまえにお知らせした六本木ヒルズの食べ物やさんは
閉店してしまいました。ほかにも行きつけのレストランも閉店し、
ヒルズのテナントはずいぶん様変わりしてしまいました。
by 国内産子持ちししゃも (2008-06-29 10:45) 

zanki

 「国内産」という表示も怪しくなってきた昨今ですが(笑)、
子持ちししゃもさんコメント有難うございます。

 男ですから推測ですが、お産に比べれば全然たいした事
無い苦痛だったと思います。

  子持ちししゃもさんも首に針刺したんですね。あれ、気分
的に怖いですよね。医者からすると、たいした作業じゃない
んでしょうけど。

  六本木ヒルズは、何故か魅力が弱い気がします。採算性
悪そうって雰囲気が漂ってたし。展望室は良かったんだけどな。
by zanki (2008-06-29 16:58) 

ミモザ

初めまして、ご訪問ありがとうございました。
退院されたばかりなのですね。おめでとうございます。
私自信も2,3度手術を経験していますが、本調子になるには
時間がかかりますね。お大事になさって下さいね。
↑の記事にはniceだけで申し訳ありません。難しいもので(笑)
by ミモザ (2008-06-29 21:00) 

zanki

ミモザさんコメントありがとうございます。ナイスは1つで十分
ありがたいです。
手術3回もなさっているとは凄いですね。
by zanki (2008-06-29 23:27) 

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