HIVは変?(その2):世界は変だ:So-net blog
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HIVは変?(その2) [生物]

 前回は、HIVの名称と分類に関する紹介でしたが、今回はウイルス粒子そのもの
についての紹介になります。

 ウイルスの一般論:生物界においてウイルスの最も注目すべき特徴は、「小ささを
極めている」という1点に尽きる。その他の特徴の多くはこの事に起因、または理由
づけがなされる。まず構造がシンプルである事。 
 もっともシンプルなウイルスは、「ウイルスゲノム」とそれを格納する「カプシド※」だ
けでできていいて、裸のウイルスとも呼ばれ、ヌクレオカプシド※と同義である。
 これより少し複雑なものは、カプシドの外側を「エンベロープ※」が覆っていて、エン
ベロープウイルスと呼ばれる。
          
※カプシド(capsid):ウイルスゲノムを格納する殻。その構成単位はカプソメア(capsomere)
             というタンパク質。カプソメアは暗黒期※に合成される。カプシドの構造は
             ウイルスゲノムとカプシドとの立体配列により、ラセン対称性、非対称性
             のものがあるが、基本は立方対称性。つまり正十二面体(正五角形だけ
             からなる)や正二十面体(正三角形だけからなる)などの美しい形。カプ
             シドはウイルスが細胞に侵入すると分解される。これを脱殻と呼ぶ。

※ヌクレオカプシド(nucleocapsid):ウイルスゲノムとカプシドの複合体の呼び名。

※エンベロープ (envelope):カプシドを包む膜。エンベロープは、宿主の細胞膜や核膜を被った
                  まま出芽することによって獲得されるため、主成分は宿主の脂質
                  二重膜であり、そこにウイルスのエンベロープタンパク質が加わっ
                  ている。主成分が脂質二重膜であるため、エタノールや、石けんで
                  容易に破壊できる。

※暗黒期(eclipse period):エクリプス、陰性期、暗黒現象とも呼ばれる。ウイルスは細胞に入る
                  と、まず自分を分解するのでその姿が見えなくなる。この期間を暗黒
                 期と呼ぶ。子孫ウイルスの出現により再び観察が可能となる。細菌な
                 ど分裂により増殖する生物はその形態が観察できなくなる期間はなく、
                 暗黒期の存在はウイルスをリケッチアやクラミジアと分ける大きな特徴
                 である。

【HIV】
・レトロウイルス科オルソレトロウイルス亜科レンチウイルス属。
・エンベロープウイルス。
・ビリオン※は、直径約110 nmの球形。ただしその中にあるカプシドは非対称性(お菓子のカプリコ型?)。
・同じプラス鎖の一本鎖RNAを2本持っている。

※ビリオン (virion):成熟(mature)ウイルス粒子の事。感染能力を持つ普段の姿。
             これに対し、宿主から出芽したての姿を未成熟(immature)ウイルス粒子という。

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