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非難の言い方が変? [政治]

ニュースを聴いていて、いつも違和感を覚えるフレーズ。「最も強い言葉で非難する。」これって、日本語?それとも英語の直訳か何か?今回のウクライナ侵攻に関して言うなら、プーチンは悪人だ!ひとでなしだ!人間のクズだ!と言えばいいのに岸田さんはおろかどこの首脳もそういう言い方はしないのはとても不満。しかも悪いのはプーチンなのにロシアと言ってるのが尚更違和感ある。

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SDGsは変?

 致死率の高い凶暴なウイルスは、人間を宿主にしてから歴史の浅い未熟なウイルスで、
いずれは宿主と共存できるよう弱毒化していくのが一般的と言われる。宿主をことごと
く殺してしまえばウイルス自身の存続はありえないと思えば道理だ。
 これは科学者がウイルスに対して上から目線で他人事のように考えての話だが、他人
事などでは全然ない。ウイルスは単純に人間の映し鏡だ。
 最近耳にしない日のない「SDGs」。持続可能な開発目標(Sustainable Development
Goals)。それは、地球という宿主がなければ存続不可能な寄生体の人間が、破壊の限り
を尽くしてきた凶暴な存在から、共存を模索し弱毒化する生き残り戦略にようやく路線
を切り換え始めたという事に他ならない。
 考える事すら出来ないウイルスが当たり前にしてきた(正しくはなってきた)事をい
まさらやろうとしている人類。なのに、「環境問題は人類の英知で乗り越えられる!」
などという僕の嫌いなACジャパンを筆頭にしたそんな輩が多すぎる。英知?!笑止!!
 我々人間は、ウイルスとさえ違わない唯物的な現実に束縛された存在に過ぎない事を
いい加減認識すべきだ。そうでないというのなら、持続して…その先にある意味の有無
を考えるべきである。そうでなければ、我々はウイルスとなんら変わらぬ存在に過ぎな
い。

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AIは変? [科学]

先日NHKラジオで聴いたニュース。
AIは、スマートフォンのプッシュ
ボタン画面をタッチする指や爪の
音だけでどの数字をタッチしたの
かを当てる事が出来る事を静岡大
学が実験で明らかにしたという。
それも0~9の数字をたった100回
ずつ聞かせて学習させただけで。
この結果はスマホのセキュリティ
に警鐘を鳴らすものだと報じられ
た。
 しかしそれより何よりこれを聞い
て浮かんだのは「2001年宇宙の旅」
だ。宇宙船の全てを管理する人工知
能HAL 9000 に不審を抱いた乗組員
達が、HALに音声を聞かれない部屋
で、HALの電源を切るかどうかの相
談をしていたところ、HAL のレンズ
が彼らの唇を読んで自分の危機を知
り、乗組員を殺そうと考えるような
るという話だ。
 現時点でのAIは、まだヒトが学
習させているが、学習する事を学習
してしまったら、あっという間に人
間の知らない事や気付かない事も知
ってしまい、人間の知らぬ間に優位
性が逆転してしまうのは必至。
 スマホのセキュリティーなんか心
配してる場合じゃない。
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新型コロナは変? [ニュース]

多くのイベントが中止、大規模な休校、出社の自粛、工場の操業停止、
株価の急落…。世界規模での経済活動の縮小。

そうだったのか!
絶望的にノルマ達成不可能な温暖化ガス排出削減にこの手があった
とは。

確かに口で言っても分からなければこうするしかないには違いない。

これを起こしたのがヒトであれ、地球であれ、皮肉な偶然であれ、経済
活動を増大し続ける事が正しいと思い込んでる人類を根本から見直す
いい機会だ。

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外国人差別は変? [政治]

 生物において、外来種は駆除しなければ
ならないというのは常識になっている。そ
の理由は、日本固有の在来種が滅び、生態
系が崩れるからという事だ。確かに池に放
たれたブラックバスはメダカなどの在来種
を食いつくし、また、昆虫の世界でも台湾
や中国のクワガタとの交雑によって、日本
のコクワやオオクワの純系が危ぶまれてい
る。採ったコクワが本当のコクワなのかは
判らないぞというのは、昆虫マニアでは周
知の話だ。
 ならば、人間界においても同じことが言
えるのでは?混血によって当然純血の日本
人はなくなってゆく。母国の習俗を持ち込
む外国人の増加によって日本固有の文化=
生態系は壊されていく。
 全く好ましい話ではないと思えるのだが
その一方で、名古屋城の堀に増殖している
錦鯉は、外来種でありながら名古屋市民に
愛されているというなんとも浅はかな理由
から、名古屋市から保護されているという。
 考えてみれば、我が家で家族同様にして
いる猫も、世間の多くの家庭で愛されてい
る犬も外来種である。
 結局、よそ者を受け入れるか排除するか
は、極めて人間の気分的な問題に過ぎず、
生態系だの遺伝子的純系だのというのは、
単なる正当化の材料に過ぎない。
 日本政府が難民受け入れに消極的である
事を非難する人がいる一方、実は人口比率
において在住外国人の多さは先進国一だと
指摘する人もいる。
 勘違いしてはいけない。生態系というの
は永遠に保たれるというものではない。常
に変化していくものなのだ。私や日本人が
どう望んでもこれまでの日本の姿とは変わ
っていってしまうのが、現実であり自然な
のだ。国が荒廃しようが、人類が絶滅しよ
うが、それが自然であり、そうなればそう
なったなりの生態系というものが形成され
る。そう考えるのが正しい認識である。
 その上で、人として日本人として抗いた
いのならそれは自由だ。外国人を差別する
のも受け入れるのいもいい。最終的には平
衡に達する。それが生態系。それこそが自
然というもの。人間なんて特別じゃない。

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貨幣経済は変?(その1) [経済]

過疎地域の救世主、魔法の通貨「よろず」。
朝の番組で紹介された信じられない面白い
話。神奈川県の山間部の過疎地区で、移住
者を増やし定着させるのに大きな効果をあ
げていると評判の地域通貨が「よろず」。
通貨といってもビットコインの様な仮想
通貨…よりもさらに実体の無い通貨。価値
は1ヨロズ=1円と定義されているものの
相互に換金することはできないのだ。実体
があるのは参加者全員が持っている通帳の
み。500円に相当するであろう商品や労働
を授受した場合、両者が自分の通帳をその
場で開き、与えた方は「500」ヨロズと書
込み、受け取った方は「-500」ヨロズと
書き込む。一見するとサザエさんに登場す
る三河屋さんのツケ帳のように思えるが、
全く違う。普通なら「-500」の人が500
ヨロズ返すのが当たり前だが、「よろず」に
は返済義務が無い!既成概念では「-」ヨ
ロズの多い人はダメな人間なはずであるが、
ここでは「地域のみんなから可愛がっても
らってる人」という認識になり、「+」ヨロ
ズが多い人は面倒見が良い人となり、どち
らもが肯定的に見られるのだ。むしろ「-」
が多いより、「+」でも「-」でも書込みの
少ない人は地域に馴染めていないという評
価になる。これにより移住者は「-」であ
っても積極的に地域住民とのコミュニケー
ションをとるようになる。
 こんなのはオママゴトだといってしまえ
ばそれまでだが、オママゴトと違い、ヨロ
ズで買ったトマトやほうれん草は食べる事
ができるので通貨としての現実味を感じる
ことが出来る。
 机上の空論という言葉があるが、逆に机
上ではこんな性善説的な事が現実に機能す
るなどとはとても考え付かない。
 しかしやはりこれが実現するのは、実際
の通貨が根本を支えているからだという事
は重要な点だ。いかに現在の通貨システム
に問題があろうと、それに完全にとって代
わるシステムを構築するのは難しいな。
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HIVは変?(その4) [生物]

【ウイルスレセプター】
 一般論として、ウイルスは細胞に感染する時、まず細胞表面の「特定の分子」を選んで
結合する。(この分子をウイルスレセプターなどと呼ぶ。)その結果、特定の生物にしか感
染しない(宿主特異性)とか、特定の組織にしか感染しないという事が起こる。(このよう
な事も含め、特有の指向性や強い好みがある事をトロピズムtropismと言う。)
なにもわざわざ限定せずにどんな細胞にも感染できた方が良さそうなものだが、そこに
は当然と言えば当然の理由がある。
 ウイルスが増殖するには、ほとんど宿主の道具を借りて、宿主の中で決まった手順を踏
める事が必要である。したがって、細胞に侵入したはいいが、必要な道具がそこに無かっ
たり道具の配置が違っていたりしたら、その細胞の中で犬死にするしかなくなってしまう。
そこで、侵入する前に増殖に適した細胞かどうかを見極める必要がある。
 一方、生物の細胞の表面には様々な分子(糖鎖、タンパク、糖タンパクなど)が存在す
る。これらは伝達物質のレセプターであったり、細胞同士が互いを認識する為の標識であ
ったりと、本来はその生物の健全な生存に必要な機能性分子である。別の言い方をすれば
これらはその細胞がどんな働きをするどんな種類の細胞なのかを表しているとも言える。
そこで図々しくもウイルスは、自分に必要な細胞を見分けるのにこれを利用することに
したのだ。つまり当然だが、ウイルスレセプター(受容体)は、もともとウイルスを受容
するためにあったわけではなく、勝手に利用されているに過ぎない。
 一般のレトロウイルスの感染には細胞側にレセプターを1 種類しか必要としないのに対
し、HIVなどの霊長類由来レンチウイルスの感染には2 種類のレセプターを必要とする。
2 つのうち
一つめは、プライマリーレセプター(Primary Receptor)。
       主受容体、メインレセプターともいう。
二つめは、コレセプター(Coreceptor)。
       副受容体、補助受容体、共同受容体ともいう。

 プライマリーレセプターは、全てのHIVに共通で、CD4※である。しかし、
 コレセプターは、HIV-1では、ケモカイン受容体であるCCR5※とCXCR4※の2種類
 があり(注:この2つ以外の分子も報告されてはいる)、その一方としか結合できない
 ウイルスと、どちらとも結合できるウイルスとがあるので、以下のように3通りのウイ
 ルスが存在する。(ちなみにHIV-2 のコレセプターは、CCR8と CXCR4である。)

①マクロファージ指向性ウイルス(R5と呼ぶ)
 CCR5をコレセプターとする。
 CD4陽性のマクロファージで増殖する。
②T細胞株指向性ウイルス(X4と呼ぶ)
 CXCR4をコレセプターとする。
 CD4陽性のナイーブT細胞で増殖する。 
③両細胞指向性ウイルス(R5X4と呼ぶ)
 CCR5とCXCR4の両方をコレセプターとする。
 CD4陽性の全ての細胞で増殖する。

 不思議な事に一人の患者からこの3種類のHIVが発見できる。これは患者の体内で変異を
し続けているためと考えられる。R5ウイルスは、感染期間全体を通じて存在するのに対し、
他の2種はAIDS発症など病態の悪化した時期のみ存在する。

CCR5:(C-C chemokine receptor type 5) 構造的にはGタンパク質共役受容体※の一種。
     白血球表面に存在するケモカイン※受容体。これに結合するケモカインは1つでは
     なく、MIP-1α (CCL3)、MIP-1β(CCL4) 、RANTES (CCL5)の3つである。
     ( )内はケモカインの分類名。
CXCR4:(C-X-C chemokine receptor-4)構造的にはGタンパク質共役受容体の一種。
      特にナイーブT細胞の表面に存在するケモカイン受容体。これに結合するケモカ
      インは、SDF-1(CXCL12)。         ( )内はケモカインの分類名。

Gタンパク質共役受容体(G protein-coupled receptor、GPCR)
細胞膜を7回貫通する特徴的な構造から7回膜貫通型受容体とも呼ばれる。
細胞外の神経伝達物質やホルモンを受容してそのシグナルを細胞内に伝えるのだが、その
際にGタンパク質※と呼ばれる三量体タンパクを介す。
全タンパク質中最大のスーパーファミリーを形成している。GPCRは多くの疾患に関与
しているため、治療薬にはこれをブロックするなどの標的としているものが多い。

Gタンパク質:グアニンヌクレオチド結合タンパク質の略。
         細胞内の生化学的反応を切り替える「スイッチ」として、
         グアノシン三リン酸 (GTP)を
         グアノシン二リン酸 (GDP)へ替える。
ケモカイン (Chemokine) :サイトカイン※の一種で、Gタンパク質共役受容体を介して機
                 能する塩基性タンパク質。Chemoは化学的なという意味だが
                 この場合は白血球の遊走を導くなどする為、走化性の(chemotactic)
                 という語から付いた名称。
                  その構造内のシステイン残基(C)に注目してCC、CXC、C、
                 CX3Cの4つに大別され、50種以上が発見されている。
                  例)CXCにはIL-8(インターロイキン8)などがある。
サイトカイン(cytokine):免疫関連の細胞から分泌され、情報伝達機能を持つタンパク質。
                リンパ球に由来するものはリンフォカイン (lymphokine)ともいう。
               (cyto-)は細胞、(kine)は活性の意味。
インターロイキン(Interleukin、IL):サイトカインの一種。
                      この名称は、白血球(leukocyte から-leukin)が
                      分泌し、細胞間(inter-)コミュニケーションの機
                      能をもつことから付いた。
【HIVに感染しない人】
CCR5遺伝子の突然変異で32塩基の欠損(CCR5-⊿32)がホモ接合型の人は、CCR5が
膜上に発現できないため、CCR5に結合するR5 タイプのHIVウイルスが感染できない。
しかしこのような人でもCXCR4は正常なので、R5X4やX4タイプのHIVウイルスには感
染するはずなのだが、実際には感染者と性行為を繰り返しても感染しない。
 これは、性行為感染において最初の標的となるランゲルハンス細胞※(表皮に存在する樹
状細胞※)が、CCR5しか持っておらずCXCR4は持ってないからだと考えられる。

CCR5欠損は、健康上とくに問題は無いので、これを標的とした抗HIV薬は開発できる。
しかし、CXCR4は造血系、血管形成、神経系等に重要な働きをしているので、これを標的
にした薬は開発できない。
CD4:ヘルパーT細胞※、単球、マクロファージ、樹状細胞などの免疫系細胞の表面に発現
    している糖タンパクのCD※分類名。免疫グロブリンスーパーファミリーに属する。
    細胞内ドメインは、T細胞受容体(TCR)の産生するシグナルを増強する。
    細胞外ドメインは、抗原提示細胞上のMHC-II分子と直接的に結合し、T細胞と抗
    原提示細胞の接着を補強する。
    ヘルパーT細胞※がシグナルを送ると、キラーT細胞※はそれを受けて感染細胞を
    破壊する。
ヘルパーT細胞:helper T cell(Th)。このうちTh1細胞は、IL-2およびIFN-γを産生す
           ることで主にキラーT細胞の働きを補助する。
キラーT細胞:cytotoxic T lymphocyte(TcまたはCTL)。表面にCD8分子を発現してい
         るT細胞から分化して、細胞傷害物質であるパーフォリン、グランザイム、
         TNF (tumor necrosis factor)などを放出したり、標的細胞のFas※を刺激し
         てアポトーシスに陥らせることで異物を攻撃する。
     CTLの一部はメモリーT細胞となって、細胞傷害活性を持ったまま体内
に記憶され、2回目以降の侵入に備える。
細胞傷害活性をまだ持たないナイーブCD8陽性T細胞において、
その表面にあるT細胞受容体(TCR; T cell receptor)が、
抗原提示細胞(APC)のクラスI主要組織適合抗原(MHC-class I)と
同時に共に提示された異物の抗原ペプチドを認識し、
さらに同時に共刺激分子からのシグナルが入ることで、活性化されて初め
て異物の抗原ペプチドを提示する細胞に対する特異的な細胞傷害活性を持
つCTLとなる。

Fas: TNF受容体ファミリーに属するI型 (アミノ末端が細胞外に配向する) 膜貫通蛋白。
細胞外領域はこのファミリーに特徴的なシステインに富むコンパクトなドメイン
構造の繰り返しからなる。
細胞内領域には、いわゆるデスドメインがある。このアミノ酸配列のモチーフは、
I型TNF受容体の細胞内領域をはじめアポトーシスに関与する分子に多く見られる。


ランゲルハンス細胞:表皮に存在する樹状細胞。膵臓のランゲルハンス島とは無関係だが、
           発見者が同一の為に同名になった。

樹状細胞(Dendritic cell):抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種。


CD:cluster of differentiation「白血球分化抗原群」分類。ヒト白血球を主とした様々な
細胞に存在する分子(表面抗原)に結合する「モノクローナル抗体」をクラスタ解析
で分類した国際分類。本来はモノクローナル抗体の分類名あるが、その結合相手の抗
原の名称としても使われ混乱しやすい。
このモノクローナル抗体により分子の違いを見分けることで細胞の違いを細かく
識別できるが、異なったモノクローナル抗体が同じ抗原に結合することがあるため、
同じ抗原を認識する抗体群を、同じ番号(と記号)で国際的に統一したものがこのCD
分類である。
 つまり研究者が細胞を見分ける為に細胞表面の分子を分類しただけであり、その意
味では全く無縁の分子を健康に必須としてひとくくりにしたビタミンという概念と
似ている。

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HIVは変?(その3) [生物]

【HIVの生活環】
①吸着(Attachment)及び融合(fusion)
②脱殻(uncoating)
③逆転写(reverse transcription)
④核への移動(nuclear import)
⑤同化(integration)
⑥プロウイルス
⑦転写(transcription)
⑧翻訳(translation)
⑨移動及び集合(assembly)
⑩カプシドへのRNA収納(RNA encapsidation)
⑪出芽(budding)
⑫成熟(maturation)

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HIVは変?(その2) [生物]

 前回は、HIVの名称と分類に関する紹介でしたが、今回はウイルス粒子そのもの
についての紹介になります。

 ウイルスの一般論:生物界においてウイルスの最も注目すべき特徴は、「小ささを
極めている」という1点に尽きる。その他の特徴の多くはこの事に起因、または理由
づけがなされる。まず構造がシンプルである事。 
 もっともシンプルなウイルスは、「ウイルスゲノム」とそれを格納する「カプシド※」だ
けでできていいて、裸のウイルスとも呼ばれ、ヌクレオカプシド※と同義である。
 これより少し複雑なものは、カプシドの外側を「エンベロープ※」が覆っていて、エン
ベロープウイルスと呼ばれる。
          
※カプシド(capsid):ウイルスゲノムを格納する殻。その構成単位はカプソメア(capsomere)
             というタンパク質。カプソメアは暗黒期※に合成される。カプシドの構造は
             ウイルスゲノムとカプシドとの立体配列により、ラセン対称性、非対称性
             のものがあるが、基本は立方対称性。つまり正十二面体(正五角形だけ
             からなる)や正二十面体(正三角形だけからなる)などの美しい形。カプ
             シドはウイルスが細胞に侵入すると分解される。これを脱殻と呼ぶ。

※ヌクレオカプシド(nucleocapsid):ウイルスゲノムとカプシドの複合体の呼び名。

※エンベロープ (envelope):カプシドを包む膜。エンベロープは、宿主の細胞膜や核膜を被った
                  まま出芽することによって獲得されるため、主成分は宿主の脂質
                  二重膜であり、そこにウイルスのエンベロープタンパク質が加わっ
                  ている。主成分が脂質二重膜であるため、エタノールや、石けんで
                  容易に破壊できる。

※暗黒期(eclipse period):エクリプス、陰性期、暗黒現象とも呼ばれる。ウイルスは細胞に入る
                  と、まず自分を分解するのでその姿が見えなくなる。この期間を暗黒
                 期と呼ぶ。子孫ウイルスの出現により再び観察が可能となる。細菌な
                 ど分裂により増殖する生物はその形態が観察できなくなる期間はなく、
                 暗黒期の存在はウイルスをリケッチアやクラミジアと分ける大きな特徴
                 である。

【HIV】
・レトロウイルス科オルソレトロウイルス亜科レンチウイルス属。
・エンベロープウイルス。
・ビリオン※は、直径約110 nmの球形。ただしその中にあるカプシドは非対称性(お菓子のカプリコ型?)。
・同じプラス鎖の一本鎖RNAを2本持っている。

※ビリオン (virion):成熟(mature)ウイルス粒子の事。感染能力を持つ普段の姿。
             これに対し、宿主から出芽したての姿を未成熟(immature)ウイルス粒子という。

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HIVは変?(その1) [生物]

【HIVとは】
問1)AIDSは何の略か?
   acquired immunodeficiency syndrome(後天性 免疫不全 症候群)

問2)HIVは何の略か?
   human immunodeficiency virus(ヒト 免疫不全 ウイルス)

問3)HIV-1とHIV-2の正式な名称と分類は?
   ウイルス分類は国際ウイルス分類委員会によりごく最近、整備されてきたばかり。
生物の分類法(域界門綱目科属種)とは全く別の概念で、核酸の種類と発現様式に基
づいたものである。
 階級は以下の5つのみで、それぞれの学名は括弧内に示すvirusを変形した語尾がつ
けられる。
目 (order; -virales)    ※目への割り当てはまだ始まったばかり。
科 (family; -viridae)  ※ヴィリダエと読む
亜科 (subfamily; -virinae)
属 (genus; -virus)
種 (species;)
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
HIVでは、科からしか命名されていない。
日本語では、レトロウイルス科オルソレトロウイルス亜科レンチウイルス属。

Retroviridae レトロ ウイルス科
Orthoretrovirinae オルソレトロ ウイルス亜科
Lentivirus レンチ ウイルス属
Human immunodeficiency virus 1 ヒューマンイミュノデフィシェンシー ウイルス ワン 種
Human immunodeficiency virus 2 ヒューマンイミュノデフィシェンシー ウイルス ツー 種
ただし日常的にはタイプワン、タイプツーとか1型、2型と呼ぶ事が多い。

ちなみに、その種が属している「属」の性質を最もよく表す種を1つだけ決め、
Type Species(代表種)と呼ぶが、レンチウイルス属ではHIV-1がそれである。

レンチは、語源の「遅い」の通り、感染から発症までに時間がかかるという意味。


問4)HIV-1とHIV-2はさらに細かく分類されるか?
   分類学では「種」が最終だが、分類学ではなく医学や疫学の必要上HIVでは、変異
  や組み換えによる遺伝子の違いにより、さらに細分される。
種である「タイプ」の下に「グループ」、「サブタイプ」、「サブサブタイプ」、「株」 がある。
「タイプ」の下を全て「サブタイプ」と呼ぶ場合も多い。

問5)HIV-1とHIV-2の「疫学上の」違いは?
 HIV-1に比べHIV-2は感染力、発症率ともに低い。
 HIV-1が全世界に広がっているのに対し、HIV-2はほとんど西アフリカの一部にしか広
がっていない。日本では、平成14年および18年に報告された、外国において感染し国
内で同定されたHIV-2感染症例に続き、平成21年、愛知県における5例のHIV-2感染
症例が報告された。うち3例は来日中のアフリカ系外国人男性であったが、残り2例は
日本人女性で、国内においてアフリカ系外国人男性との性交渉によって感染したと推定
される。
 
問6)HIV-1とHIV-2の「治療法の」違いは?
HIV-1に対してHAART療法(患者に応じて複数の薬を組み合わせる方法)という治療
方法が確立しているが、 HIV-2に対しては治療法がまだ確立していない。
またHIV-2はHIV-1より複製速度が遅い為、ウインドウ・ピリオド(感染から検査で検
出するまでの期間)が長い点にも注意が必要。

問7)HIV-1とHIV-2の「ウイルスとしての」違いは?
  遺伝子構造(コードされている蛋白の種類や数や順序など)はほぼ同じなのに、塩基配
列の相同性は60%程度しかない。これは、おおもとのウイルスは同じであったが、ヒトに
感染するようになるまでの進化の過程で経由してきた宿主の違いによると考えられる。
HIVに進化する直前の先祖はSIV(simian immunodeficiency virus)サル免疫不全ウ
イルス。HIV-1はチンパンジーのSIVから、HIV-2はスーティーマンガベイのSIVから進化
したと思われる。
ちなみに英語ではサルという名詞が複数あるが、スーティーマンガベイは尾の長い小
さいサルでありsimianという語にはそぐわない。
Ape(エイプ)ヒト以外の霊長類
Simian(スィミアン)類人猿
Monkey(モンキー)尾のある小型のサル
チンパンジーもスーティーマンガベイも発病することはない。
しかしアフリカ以外のサルでは発病することがある。

問8)混乱をきたす名称は?
HTLV-III (Human T-lymphotropic virus type III) …アメリカ国立衛生研究所(NIH)
 ヒトTリンパ好性ウイルス
LAV   (Lymphadenopathy-associated virus) …パスツール研究所
        リンパ節症-随伴ウイルス
ARV    (AIDS-associated retrovirus) …カリフォルニア大学
 エイズ-随伴レトロウイルス
別々に発見されたこの3つは実は同じであった為、名称はHIV-1に統一された。
また別に、モンタニエらが発見したLAV-2(Lymphadenopathy-associated virus-2)は、
HIV-2と改名された。
しかし、医者によってはHTLVで覚えてしまっている為、ATL(adult T-cell leukemia,
成人T細胞白血病)の原因ウイルスであるHTLV-Iと混同している事がある。
ちなみにHTLVはHuman T cell leukemia(またはlymphomaリンパ種)virus とも言
い、I, II, III, IVがある。      ※Leukemiaは、ルキミアと発音します。
またHIV試薬の商品名にLAVが使われるなどの名残りも見受けられる。

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